慰霊の日
今日6月23日は「慰霊の日」である。
1945(昭和20)年のこの日、陸軍第32軍司令官牛島満中将が自決し、組織的な戦闘が終結したとされる。
このことから、沖縄県では、日本返還前の琉球政府の時代から6月23日を「慰霊の日」とし、毎年戦没者慰霊祭を行っている。
ちなみに今上天皇は、6月23日・8月6日・8月9日・8月15日の4つの日を「忘れることのできない日」として挙げ、皇子・皇女にも教えたとされている。
ただ注意したいのは、終わったのはあくまで「組織的な戦闘」であるということ。
牛島司令官が最期に及んでなお「降伏せず、最後まで戦って死ね」という命令を発して自決したため、戦闘は続き、集団自決もやまず、挙句の果てには、8月15日を過ぎても「スパイ容疑」をかけられて日本軍に殺害された住民さえいるなど、悲惨な状況は終わらなかったのだ。
ところで、高校日本史の教科書検定で「集団自決に日本軍の強制があった」とする記述が削除されるなど、歴史を直視しない動きがまたぞろ起きている。
沖縄戦の実情を知れば知るほど、戦争の悲惨さと日本軍(ひいては戦争指導者に帰結するが)の異常さを痛切に感じるのだが、「集団自決に日本軍の強制がなかった」としたい人たちは、いったいどのように戦争を教えたいのだろうか。
沖縄戦での日本側の戦没者数19万人弱のうち、ほぼ半数の9万4千超が一般住民の犠牲者であるということだけでも、沖縄戦の凄惨さが分かろうというものだが、いまだに戦争への認識が乏しい現状は嘆かわしく、怒りさえ感じる。
それもこれも、簡単に言えば「戦争はダメ」という意識が薄れているのではないかと思う。そうなってしまった原因は、歴史を知らない、ゆがめたい人たちが政界はじめ各界に跋扈していることと、近現代史を満足に教えられない現状に他ならない。
戦争で犠牲になった方々を悼むとともに、2度と戦争の惨禍を起こさないよう(戦争に繋がる全ての動きを含めて)、改めて誓わなければならない。
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