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2013年3月

2013年3月24日 (日)

御名残御園座 三月大歌舞伎

今月限りで閉館になり、建て替えられる御園座。
現在の劇場の最後を飾るのは、二代目市川猿翁・四代目市川猿之助・九代目市川中車襲名披露となる歌舞伎公演です。

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※一応補足しておくと、四代目市川猿之助の元の名は市川亀治郎。NHK大河「風林火山」では武田信玄を、「竜馬伝」では、最終回に竜馬を暗殺する役で登場しました。
九代目市川中車は、つまりは香川照之。40代後半での歌舞伎デビューとなり、中車を襲名しました。この九代目中車の父親が二代目市川猿翁、先代(三代目)市川猿之助で、スーパー歌舞伎を創り上げ、新しい歌舞伎を切り開いた人です。



名古屋においてそれなりの歴史がある劇場ゆえ、最後に足を運んでおこうと思ったのと、襲名披露の3人には結構関心があることもあって、日にちを分けて、昼の部・夜の部を観てきました。

普段は、できるだけいい席で観るようにチケットを取ることが多いんですが、今回はいずれも2階席後方の最も安い三等席(それでも6,500円)、いわゆる大向こうでの観劇です。
二等席でも12,500円するので、さすがに2回観ることを考えると手を出せませんでした。

ちなみに御園座にはあまり縁がなく、舞台を見に来たのは、14~5年くらい前の北大路欣也主演「銭形平次」以来のこと。
当時プレイガイドに勤めていたこともあって、営業の方からもらった招待券で観に行きましたが、そのときは2階の中列くらいだったように思います。

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<昼の部>3月3日(日)11時開演

一、 小栗栖の長兵衛

「小栗栖」でピンときた方は歴史好きの方でしょう。山崎の合戦で敗れた明智光秀の最期の地といわれているところです。
作中で、光秀を竹槍で討った手柄者とされるのが長兵衛で、この役を中車が演じています。
いわゆる古典ではないので、歌舞伎独特のせりふ回しがなく、中車にとっては入りやすい演目かもしれません。

中車は声の通りも良く、暴れ者の長兵衛を好演していましたが、まだ「歌舞伎役者」という感じではないなあ、というのが最初の印象。ただ、何とも言えない存在感はあり、この辺はやはり血統の故でしょうか。
さすがなのは脇を固める役者達で、人のどうしようもない性を上手く演じて中車をよく引き立て、いい舞台に仕上げていたように思いました。


二、 黒塚

山奥の一軒家に住む老女が実は鬼女で・・・、という物語で、この老女岩手、実は安達原鬼女を演じるのが四代目猿之助。
物凄い迫力のある舞台で、猿之助の鬼女は圧巻。
加えて、鬼女と対峙する役どころの中村梅玉の存在感、芸術的な照明、舞台の迫力に厚みを増す長唄と箏、尺八といった邦楽と、伝統芸能の良さを知るには事欠かない一幕でした。


三、 楼門五三桐(さんもんごさんのきり)

石川五右衛門が、南禅寺山門の上で煙管片手に廻す名台詞「絶景かな、絶景かな」で始まる舞台。五右衛門の台詞に加えて、山門の下に現れる真柴久吉(豊臣秀吉)との対峙が見せ場となる、短時間ながらなかなか魅せる一幕。

五右衛門を市川右近が、久吉を中車が演じました。
本来、久吉は猿翁が演じることになっていましたが、体調不良のため休演で、中車が代役となったもの。
演じる猿翁を観てみたかったのでちょっと残念ではありましたが、中車は予想以上に堂々たる舞台を務めていたように思います。


~幕間ネタ2種~

さて、幕間の楽しみは、弁当を食べたり買い物をしたりすることですが、御園座の名物のひとつが「アイス最中」。
バニラ、小倉、抹茶と3種類ありまして、いずれも中にしっかりと詰まっております。とりあえずこれも食べ納め。

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もうひとつ、この襲名披露を彩っているのが、福山雅治デザインの祝幕。
斬新な感じが、澤瀉屋(おもだかや・・「瀉」のつくりは、うかんむりではなく、わかんむり。)の芸にふさわしいものと言えるでしょう。

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<夜の部>3月17日(日)16時開演

一、 春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)

静御前と曽我兄弟が時代を超えた共演で、春にふさわしい、華やかな舞踊の一幕。静御前の春猿は美しく、曽我五郎を演じる右近は貫禄あり。


二、 ぢいさんばあさん

森鴎外原作の新歌舞伎で、中車が主役を演じる、夫婦愛を描いた一作。
中車は老け役のちょっと力を抜いた感じを演じるのが上手く、やはり役者としての才は相当なものという感じがします。あとは、「歌舞伎役者」としての経験をどう重ねていくかだと思います。
敵役を右近が演じていますが、右近は昼の部・夜の部とも全幕に出演しており、いずれも存在感を示しつつ、主役を引き立たせる好演ぶりでした。


三、 口上

猿之助・中車の襲名披露口上。坂田藤十郎の取り回しで進み、両者とも襲名にあたっての覚悟を力強く語りました。


四、 義経千本桜・川連法眼館の場

主人公の狐忠信を演じる猿之助の魅力あふれる、圧巻の一幕でした。
早変わりや舞台仕掛けなどで魅せたのに始まり、台詞廻しや所作にも釘付けとなりまして、大量の桜吹雪が舞う中での宙乗りで締め。
宙乗りは舞台から2階席の上まで渡るもので、桜吹雪ともども大興奮のうちに幕。いやあ、凄かった。
脇の顔ぶれもよく、特に義経役の坂田藤十郎はさすがの存在感で、素晴らしい舞台に花を添えていました。

↓桜吹雪。ちゃんと花びらの形になっています。縁起物だとか。

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